あなたは、歯を残すために普段意識していることや何か対策をしていることはありますか?
また、歯を残すために何ができるのかをご存知でしょうか?
歯を失うとお口の健康だけではなく全身の健康にも影響します。
大切な歯を失わず、歯を健康に保つために今からできることがあります。
あなたの歯とあなたの笑顔は、あなたの人生の中で大切な役割を果たしています。そして、その笑顔を維持するためには、歯の健康が必要不可欠です。幸いにも、歯を残すためには日常生活でできることがたくさんあります。
この記事では、歯を残すために歯の健康を維持し、食事を美味しく楽しみ、美しい笑顔を保つために大切なことを詳しく解説します。
歯を残すためには、以下5つのポイントが重要になります。
これらのポイントを正しく理解して実行することにより、誰でも歯を残すことが可能です。
また歯を失うリスクには、どのようなことがあるのかについても理解し、歯を失うリスクを下げましょう。
それでは、歯を残すためにできることについて詳しくみていきましょう。
まずは、歯を失うリスク要因についてです。
歯を失うことは、見た目だけでなく、健康にも大きな影響を及ぼします。
さまざまな要因を以下に説明します。
虫歯は、最も一般的な歯を失う原因の一つです。食べかすやプラーク、歯垢といった細菌の塊が歯に付着し、これらが糖分と反応して酸を生成します。この酸が歯を侵食し、虫歯を引き起こします。
歯周病は、歯を失う主要な原因の一つであり、お口の中の炎症を適切に管理しない場合に進行する可能性があります。
歯周病は、歯ぐきなどの周囲の組織に影響を及ぼし、歯を支える骨にまで影響します。進行すると自然に抜け落ちるなど、歯を失う原因となる怖い病なのです。
喫煙や過度のアルコール摂取、不健康な食事習慣は、歯を弱化させる要因となります。
スポーツや事故による歯の損傷も歯を失うリスクを増加させます。歯を守るための予防対策が必要です。
歯を残すためには、まず基本的な歯のケアが欠かせません。以下はそのポイントです。
歯磨きは、できれば毎食後行うべきです。適切な歯ブラシとフッ素入り歯磨き粉を使用し、優しく歯を磨きましょう。
「磨いている」と「磨けている」は大きく異なります。毎回ブラッシングしていても、正しく磨けている歯磨きとそうでない歯磨きとには、大きな差が出てきます。
正しい歯磨き方法は、歯科衛生士によるブラッシング指導を受けるとよいでしょう。
歯間ブラシやフロス (糸ようじ) を使用して歯と歯の間に残る、食べかすや細菌を取り除きます。
しっかりと歯ブラシで磨いていても、お口の中の汚れは約60%しか取りきれていないといわれています。残りの約40%は、歯と歯の間などに残っているのです。歯ブラシとセットで歯間ブラシやフロスを使用しましょう。
その他、舌ブラシやマウスウォッシュなどもお口の中の汚れや細菌を取り除くために使用するとよいでしょう。
歯科医師・歯科衛生士による定期的な検診は重要です。問題を早期に発見し、治療することができます。
また、普段の歯磨きでは取りきれていない細かな汚れを歯科医院で取り除くことが大切です。そのためには定期的な歯のクリーニングに通うことが大変重要になります。
歯を残すためには、治療が必要な歯への早期対処が必要です。
虫歯や歯周病は感染症です。治療せずにそのまま放置しておくと、お口の中の環境が悪化していきます。健康な歯にまで悪影響を及ぼしてしまうのです。また、放置することにより虫歯や歯周病が進行すると、歯や歯の神経を抜かないといけなくなります。歯を失う可能性が高まるのです。
歯の神経は歯を残すために不可欠な役割を果たしています。神経があることで歯は生きています。生きている歯は咬む圧力に対して反応し、周囲の骨と共に歯を安定させます。神経があることで、歯が抜けるリスクが低くなり、他の歯との調和を保つことができます。
そして歯の神経は、痛み、温度、圧力などの感覚を伝える役割を果たします。神経があることで、歯が異常を感知し、問題が発生した際に早期に対処できるため、歯の健康を維持しやすくなります。
歯は、食べ物を噛み砕き、消化を助けるために必要です。神経があることで、噛む機能を維持し、食事を適切に処理することができます。歯周病や歯を支えている骨の吸収を防ぐことにも役立ちます。歯の周りの組織も健康を維持しやすくなるのです。
食生活は、歯の健康に直接影響します。以下は健康的な食事習慣の一部です。
歯の健康を維持するためにもビタミン、ミネラル、タンパク質を含むバランスの取れた食事を心がけましょう。
砂糖をはじめとする糖分の摂取は、虫歯のリスクが高まります。過度な糖分摂取を制限し、摂取後は歯を磨き、歯磨き後に甘い飲食物を摂ることは避けましょう。
水は歯を清潔に保つために非常に有用で、食事の最後に口をゆすぐことでも食べ物のかすや汚れを洗い流す役割を果たします。
牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品には、カルシウムが豊富に含まれるため、歯の強化に役立ちます。
ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜には、歯に良いビタミンやミネラルが含まれています。
レタスやケールなどの葉物野菜は、歯ぐきの健康をサポートします。
リンゴには、食物繊維が豊富に含まれており、歯のクリーニングに役立ちます。
水分を多く含むキュウリやセロリは、口の中を洗浄し、唾液の分泌を促します。
鶏肉や魚は、高タンパク質で脂肪が少なく歯の健康を保つために良いとされる食材です。
アーモンドやピスタチオなどのナッツは、歯に良いミネラルや蛋白質が含まれています。
抗酸化物質が豊富な緑茶は、口内細菌の成長を抑え、歯の健康を促進します。
糖分を控えた食品は、虫歯のリスクを軽減します。
これらの食品は、歯の健康を保つために適切な栄養素が含まれ、歯に負担をかけないようにするのに役立ちます。
一方、高糖分や酸の多い食品や飲料は、歯に害を与えることがあるため、摂取には注意が必要です。
生活習慣も歯の健康に大きな影響を与えます。
タバコは、歯ぐきの炎症や歯の変色を引き起こすことがあります。また歯周病の進行にも関係しています。禁煙を検討しましょう。
ストレスは、歯と歯ぐきに問題を引き起こす可能性があります。リラックス法を取り入れましょう。
事故やケガから歯を守ることも重要です。
また、歯ぎしりなどの癖からも歯を守りましょう。
スポーツをする際には、歯のケガを防ぐためにマウスピースを使用しましょう。
歯ぎしりや食いしばりは、歯を傷つける原因になります。歯ぎしりや食いしばりの癖や習慣がある場合、歯科医師に相談し対策しましょう。
ナイトガードなどを作製して、就寝時に装着することをおすすめします。
歯を残すためには高齢になってもケアが必要です。
入れ歯を適切に清潔に保ち、定期的に歯科医院を受診しましょう。入れ歯にも歯と同じように細菌や汚れが付着します。
高齢になっても栄養を摂り、歯を強化しましょう。
歯を残すための活動として8020(ハチマルニイマル)運動をご存じでしょうか?
「8020運動」とは、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。
平成元年から行われている8020運動ですが、80という数字は当時の日本の平均寿命の数字として掲げられたものです。
そして、20という数字は「自分の歯で食べられる」ために必要な歯の数で、だいたい20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが科学的に明らかになっています。
老化が進むと、歯が欠けたり、虫歯になったりすることが多くなりますが、8020運動では、定期的な歯科検診や正しい歯磨きなどのケアを行い、健康な歯を維持することを目指しています。
また、歯科医師や栄養士とのコミュニケーションや、歯に優しい食事や食べ方のアドバイスも行われています。 8020運動は、日本歯科医師会が中心となって推進しています。
高齢化社会である現在では、8520運動や9020運動と言われています。これは平均寿命が延びてきているため、85歳、90歳でも20本以上を保とう!となってきています。
歯を残すためにできることは、さまざまあります。
基本的なケア、早期治療、健康的な食事、生活習慣の見直し、ケガからの保護、高齢になってもケアする。これらは、食事を美味しく楽しみ、美しい笑顔を維持するためにも、総合的な健康にも影響を与えます。
歯を残すためにできることを正しく理解し、実行していきましょう。あなたの歯を残すために歯科医院はとても頼もしい味方になります。
不安なことなどがあれば歯科医院へご相談ください。そして大切な歯を残すために積極的なケアを心がけ、今から始めていきましょう!