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口臭の原因は、お口のトラブルが9割?

さまざまな口臭の原因とその対策について

口臭とは

人の身体にそれぞれニオイがあるように、お口にもニオイがあります。

口臭は一般的にお口からの不快な臭いのことをいいます。口臭は自分自身では気付きにくいものであり、知らぬ間に周囲の人に不快な思いをさせることがあります。

口臭の原因には、歯周病などお口の中のトラブルや全身の健康状態に関連して発生するものや摂取した食べ物に由来する外因性のものなどがあり、いくつかの種類に分けられます。

口臭について

口臭の種類

1. 生理的口臭

生理的口臭は一般的に誰にでもある臭いのことで、朝起きた時や空腹時、緊張した時などに特にその臭いが強くなることがあります。

このタイプの口臭は多くの場合、一時的に起こるものでしっかりケアをして予防策を取ることで軽減できます。

起床時の口臭

寝ている間は、唾液の分泌が少なくなるため、お口の中の細菌が増殖します。そのために朝目覚めた時に口臭が発生しやすくなります。

空腹時の口臭

食事前や長時間の断食後には唾液の分泌が減少することが一般的です。唾液にはお口の中の細菌の増殖を防ぐ役割があるため、不足することで口臭の原因となります。
また、空腹時には胃酸が増加し、お口を通じて胃の酸の臭いが漏れることがあります。

緊張した時の口臭

緊張した時やストレスによる負担がかかっている状態にあると、唾液の分泌が減少し口臭が増加することがあります。
身体をしっかり休めてストレスを発散することで対処できます。

生理的口臭が一時的に発生する時の特徴として、唾液の分泌が減少し細菌が増殖することが挙げられます。


お口の中にある食べかすや剥がれた細胞などのたんぱく質を増殖した細菌が分解することで不快と感じる臭いの原因を作り出しています。

口臭の成分の中でも、主な原因物質といわれているのが揮発性の硫黄酸化物です。
これがたくさん作られることにより、一時的に不快に感じる口臭が発生します。


しかし、朝目覚めたら歯磨きをすることでお口の中の細菌や臭いは大幅に減少します。空腹時には食事をきちんと摂り、緊張した時には身体を休めて水分補給をすることで唾液の分泌が促進されます。これらは急激に口臭を弱めるのに効果的です。

他にも、特に女性は生理や妊娠などホルモンバランスの変化による口臭、子どもから大人までそれぞれ年代ごとに異なる臭い、そして民族の持つ習慣や特徴などによってさまざまな種類の口臭があります。

生理的口臭の特徴としては、常に周囲の人を不快な気持ちにするわけではなく、たまに不快にすることがある程度です。不快に感じる時の距離はとても近く、相手の顔から30cm以内の近さであるといわれています。
これは通常の会話での距離よりも近いため、なかなか気付かれにくい距離です。
また、自分では気付きにくい口臭ですが気にし始めると不安になり、より感じやすくなります。他にもストレスや身体の健康状態などコンディションによって臭いが強まったり弱まったりします。

2. 食べ物や嗜好品による口臭

ニラやニンニク、ネギ、玉ねぎなど臭いの強い食べ物を摂取すると、それらが直接口臭の原因となります。食後も胃にしばらく残っていて臭いの原因となるため、注意が必要です。

また、アルコールやコーヒー、タバコなども口臭の原因となります。アルコールは肝臓内でアセトアルデヒドと呼ばれる物質に分解されますが、これが臭いの原因となります。
毒性が強く、アルコールを摂取した後に見られる顔が赤くなる、頭痛や吐き気などの症状の原因にもなります。

多量の飲酒によって体内にその臭いが取り込まれ、しばらく臭いが続くこともあるため、習慣的に飲み過ぎることはなるべく避けると良いでしょう。

3. 病的口臭

病気に由来して発生する口臭で、大きく分けてお口の中のトラブルに関するものと全身の病気に関するものがあります。どちらも病気の症状の1つとして感じる臭いであるため、病気そのものを根本的に治療することで改善します。

口腔由来

一般的に病的口臭の90%以上はお口の中のトラブルが原因であるといわれています。

具体的には歯周病や歯肉炎、虫歯などが挙げられます。元をたどるとそれらの原因となる歯垢や歯石、舌苔と呼ばれる舌にこびりついた汚れなどもすべて細菌の塊であり、口臭へと繋がります。

これらは発生してから治療をすることで改善できますが、そうならないために予防することも可能です。日頃からのセルフケアや歯科医院でのプロフェッショナルケアを行うことが大切です。

全身由来

胃炎、胃下垂や胃がんなど消化器系の疾患、呼吸器系の感染症や肝臓の問題、他にも鼻や喉の病気、糖尿病などさまざまな原因で起こる口臭があります。

それぞれ原因によって感じられる臭いの種類は異なりますが、多くの全身疾患が口臭に関わりがあるといわれています。

4. 心因性口臭

心因性口臭は、実際には口臭が認められない場合でも、自分自身で口臭があると思い込む口臭のことをいいます。心理的な要因や精神的に不安定な状態によって引き起こされることが多く、感情やストレスに関連しています。

心因性口臭の治療には心理療法やカウンセリングが役立つことがあります。ストレスや精神的な問題に対処し、自己意識を減少させることが口臭の改善に繋がることがあります。
他にも、歯科医師や歯科衛生士などの専門家に口臭があるかないかを確認してもらったり、医師に相談し治療の提案や細かな評価を受けることが重要です。

口臭といってもさまざまな原因があります。人それぞれ感じ方が異なったり、一時的なものもあったり、根本となる原因を取り除くことで口臭が改善されるものもあります。

口腔由来の口臭について

歯肉炎、歯周病

歯肉炎や歯周病は、歯ぐきや歯の周りの組織に炎症を伴う病気です。
お口の中の細菌が歯ぐき周りに付着することで感染を引き起こします。
進行すると歯ぐきの腫れや出血、膿が出るなどの症状が現れ、それらとともに口臭も発生しやすくなります。

虫歯

虫歯は歯の表面に穴が開く病気で、磨き残しなどの溜まった細菌が歯の表面を侵食していきます。

初期段階の虫歯では、臭いがきつくなることはほとんどありませんが、進行することで腐敗した歯の組織から口臭が発生します。
虫歯が神経にまで到達し、神経が腐敗するとかなり強い臭いが発生することもあります。

歯垢や歯石

歯周病や虫歯と密接に関係している歯垢や歯石は、口臭の主な原因の1つです。

歯垢はお口の中に存在する細菌や食べかす、唾液などが混ざってできる薄い膜のようなものです。歯の表面に付着し、時間の経過とともに固くなり、歯石へと変化します。
歯石は歯垢が固くなり歯の表面にこびりついたもので、歯ブラシでは取り除くことができません。歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングでしっかりと除去してもらいましょう。

また、お口の中に被せ物やブリッジなどがある場合には長期的なメインテナンスが重要です。被せ物の縁やブリッジの周りなどには汚れが溜まりやすく、すき間ができてしまった、被せ物の下で虫歯になっていたなどのトラブルも少なくありません。自分の天然歯以上にしっかりケアし、口臭予防とともに虫歯予防にも努めていくことが大切です。

歯垢や歯石には多くの細菌が含まれ、これらの細菌が食べかすを分解することで有害なガスを作り出します。そしてこのガスが口臭の原因となります。歯垢や歯石が付着すればするほど口臭も強く感じるようになります。

お口の乾燥

唾液不足によるドライマウスは口臭を引き起こす原因となります。唾液には多くの重要な役割があり、お口の中の細菌の増殖を抑える作用や食べかすなどを洗い流す洗浄作用、お口の中の粘膜を保護する作用などがあります。

唾液の分泌が減少することによってお口の中が不衛生になり、細菌の増殖および口臭が強くなることにも繋がります。

舌苔

舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。
これは細菌の塊で、繁殖することで口臭が発生します。歯磨きをする際に歯や歯ぐきの周りは磨けていても、舌まで磨けていないことがあります。舌ブラシなどを使って清掃すると良いでしょう。

入れ歯

入れ歯の清掃が不十分な場合に、細菌や食べかすが溜まり不快な臭いがついてしまうことがあります。特に入れ歯のプラスチック部分には色や臭いが吸着しやすく、一度ついてしまったものは取り除くことが容易ではありません。毎日欠かさずに清掃しきれいに保つことが大切です。

口臭の原因

口臭予防・軽減のために

口臭を予防、軽減するためには、歯垢と歯石を効果的にコントロールすることが大切です。

適切な歯磨き

歯垢と歯石が蓄積しないように毎日のブラッシングが重要です。
歯磨きが上手にできているか、磨き残しや磨き癖はないか一度歯科医院でチェックしてもらうと良いでしょう。自分では磨いたつもりでも、歯並びや歯の磨き方によってしっかりと磨けていない部分があることが多いです。それぞれに合ったより効果的な歯磨き方法を身につけることで歯垢や歯石の沈着を防ぎ、口臭も予防することができます。

特に磨きにくい歯と歯の間にはフロスや歯間ブラシを使用し、舌は専用のブラシを使って磨くことでさらに口臭を防ぐことができます。

歯科医院でクリーニング

定期的に歯科医院で検診を受けるとともにプロによるクリーニングも受けましょう。セルフケアだけでは届かない細かな汚れまでも取り除くことできれいさっぱり、口臭の原因となる細菌を大幅に減らすことができます。

歯のクリーニング

水分補給・食事

お口の乾燥は口臭の発生に大きく関係します。水を十分に摂取し、唾液の分泌を促すことが大切です。

また、食事の際によく噛んで食べることで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。



まとめ

自分ではなかなか気付きにくい口臭ですが、さまざまな方法で予防や軽減することが可能です。
原因によっては医療機関での治療が必要な場合もありますので、口臭が気になったらまずは歯科医院を受診してみると良いでしょう。