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予防歯科と歯科検診の違いとは?

はじめに

「予防歯科」と「歯科検診」は、どちらも歯の健康にとって大切なことですが、そもそもの目的が異なります。今回は、それぞれどのようなものなのかについて、詳しく解説していきます。

予防歯科と歯科検診の違い

結論から言うと「予防歯科」と「歯科検診」は目的が違うため、診療内容が異なります。

「予防歯科」は歯の喪失の二大原因である虫歯や歯周病にならないように予防することを目的とし、「歯科検診」は虫歯や歯周病などの病気を検査・発見して早期治療を行うことを目的としています。それぞれの診療内容を説明します。

虫歯の予防

歯周病の予防

予防歯科とは

予防歯科とは、普段からお口の中の環境を整えて歯の寿命を長持ちさせるために、虫歯や歯周病にならないように予防する診療内容のことを指します。

少し前までは、「虫歯になってから歯医者に行く」「痛いから歯医者に行く」という人が多かったですが、最近では「悪くなったら治す」のではなく「悪くなる前にトラブルを予防する」ために通院する人が増えています。

予防歯科で行われる診療内容の例

予防歯科では、普段自分では取りきれない歯の汚れをクリーニングして、歯にフッ素塗布をするなどの処置を行います。具体的な診療内容には次のものが挙げられます。

  1. 口腔内診査
  2. 歯石除去
  3. 歯の表面のクリーニング
  4. フッ素塗布
  5. 歯磨き指導 など

はじめに、お口の中の状態をチェックし、治療が必要な箇所はないか等を確認します。治療が必要な箇所があれば治療を行い、必要がなければ予防歯科の処置を行います。

歯に問題がある可能性がある場合には、必要に応じてレントゲン撮影等を行うこともあります。
予防歯科でもお口の中をチェックしますので、歯科検診としての診療内容も含まれています。

予防歯科を受けることのメリット

予防歯科を受診することで虫歯や歯周病を予防し、歯をできるだけ長く残せるようになります。

虫歯や歯周病は、一度かかってしまうと継続的に治療が必要になることがあり、その場合の歯の寿命は短くなります。
そうなる前に予防をしていくことで、歯の寿命を延ばすことに繋がります。

そして、歯科治療費を抑えることができます。

定期的に予防歯科を通院すると、定期的な出費がかさんで高くなるように思われがちですが、治療をするよりはるかに安く済みます。
虫歯や歯周病は放置しても治ることはありません。必ず治療が必要になります。発見が遅くなるほど治療費はかさみ、治療期間も長くなります。

予防歯科での通院は、歯科検診における早期発見にも繋がり、結果的に治療費を安く抑えることができます。

プロフェッショナルケアとセルフケア

予防歯科では、プロフェッショナルケアとセルフケアの組み合わせが大切です。

予防歯科は歯科医院でプロケアを受けているだけでは不十分で、歯磨き等の生活習慣とも関係が深く、毎日のケアに関しては、自身で行う必要があるためです。
歯科医院でブラッシング指導などをしっかり受け、自宅でのセルフケアも丁寧に行うようにしましょう。

歯のクリーニング

歯科検診とは

歯科検診とは、お口の中を診査して、虫歯や歯周病などの疾患にかかっていないか、またその兆候はないかをチェックする診療です。定期的に歯科検診を受けることで、虫歯や歯周病の早期発見に繋がります。

早期に発見して早期に治療を開始することで、治療期間を短くすることが可能になり、治療費も安く抑えられます。

逆に病気の発見が遅くなると、虫歯の場合は神経を抜くなどの処置が必要になるなど、歯の寿命が短くなることに繋がります。
歯周病の場合は、中度から重度にまで進行するとその後の治療が難しくなり、歯がグラグラして残せなくなることがあります。

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歯周病の症状

歯科検診で行われる診療内容の例

歯科医院では、虫歯や歯周病の早期発見のために、定期的に歯科検診を受診することをおすすめしています。具体的な診療内容には次のものが挙げられます。

・虫歯の有無のチェック
・歯周病の検査
・レントゲン撮影とチェック
・噛み合わせのチェック
・お口全体の粘膜の状態のチェック

お口の中の虫歯や歯周病の有無と状態を確認し、必要な場合はレントゲン診査を行います。歯科医院により検診内容は多少異なりますが、目に見えないところのトラブル発見のためには、定期的にレントゲン撮影をして診査をしてもらうことをおすすめします。

全体をチェックして治療が必要な箇所が見つかった場合には、治療を行います。特に問題がない場合には、歯石除去やクリーニングなどの「予防歯科」に進みます。

定期検診では、歯だけではなく、お口の中の粘膜の状態もチェックします。これは虫歯や歯周病の早期発見だけでなく、口腔内に発生する癌の早期発見にも繋がります。他の癌に比べて割合は少ない癌ですが、「舌がん」など聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。お口の中の癌は、粘膜異常の目視で発見できることが多いので、その意味でも歯科検診を定期的に受けたいものです。

予防歯科と歯科検診どちらを受ければよいの?

どちらかということはなく、予防歯科と歯科検診は同時に行うことができます。定期的に予防歯科・歯科検診を受診しましょう。
通院頻度は、お口の状態により異なりますが、3〜6ヶ月の範囲内で行っていくのが良いでしょう。虫歯や歯周病のリスクなど、お口の状態に応じて相談して、定期通院の期間を決めていくのが良いでしょう。

治療費用について

予防歯科も歯科検診も基本的に保険診療の中で行うことができます。ただし、期間や頻度、施術部位等に保険制度の決まりがあるため、保険診療内では希望通りに行えないこともあります。

例えば、歯に特別問題がない人が定期的にフッ素塗布を受けたい場合や、もっと細かいところまで歯の表面のクリーニングをしてほしい場合などは、自費診療になることもあります。

自費診療の場合は、歯科医院ごとに料金設定が異なるので確認が必要ですが5,000円から1万円程度のことが多いです。希望の施術がある場合には相談するようにしましょう。

家族で定期受診しましょう

一昔前に比べて、「痛いところがなくても定期受診をする」という方が増えています。これはとても良い兆候です。
幼い頃から親に連れられて定期受診する習慣がある人は、自分が大きくなってからも、定期受診の習慣がついていることが多いです。

自分の子供にもきちんと予防歯科・歯科検診で定期的に受診をさせるようになるでしょう。

まだまだ高齢の方の中には、昔のように「痛くなったら歯医者さんに行く」という方も多くいらっしゃいます。
ご家族と同居している場合は、皆さんで歯科医院の定期受診を習慣化することをおすすめします。

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まとめ

予防歯科と歯科検診の違いを説明しました。どちらも歯の健康を保つためには重要です。目的と内容が異なるため、知っておくとよいでしょう。

ただし通院するにあたり、二つを区別する必要はありません。予防歯科には、歯科検診の内容も含まれ、歯科検診は結果により予防歯科を進めていく流れになることも多いからです。

定期的に予防歯科・歯科検診を受診して、歯の健康な寿命を延ばしていきましょう。