歯が取れてしまったとの事で、ビックリしたと思います。
当院でも、「虫歯の治療をしなくちゃいけないのは分かっていたけど、なかなか行けなかった」とか「治療の必要性は理解できていたけど、歯が取れたり欠けたりしたので、この際しっかり治したい!」という患者さんがいらっしゃる事は多いです。
今回の相談につていも、しっかり回答していきますのでご安心くださいね。
患者さんからの相談で、「歯が抜けてしまった」という相談は多くあります。けっこう、焦りますよね。インプラントにしようか?入れ歯かな?ブリッジというのもあるらしい。などと悩みますよね。
でも、ちょっと待ってください!本当に歯が抜けたのでしょうか?意外にも「歯の根」が残っている事があるんです!特に奥歯は自分でも見えにくいので、自分では抜けたと思っていても、実は「歯の根」が残っているという事もあります。「歯の根」が残っていて、使えそうな状態だったらラッキーです!
「歯の根」が残っているか?どういう状態か?は、肉眼で見ても分かりにくいです。レントゲンで見ないと分かりません。レントゲンで診断して「歯の根」も完全に抜けてしまっている状態なら、インプラントか入れ歯かブリッジなどの治療を考えないといけません。
「歯の根」が使えそうな状態だったら、インプラントしないで済むかもしれませんね。使える状態かどうかは、歯科医師の経験や技量にもよりますので、セカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
歯が抜けている事が確定診断されたら、治療法について考えます。
歯を失った場合の治療法には3つの方法があります。すなわち、
インプラント、ブリッジ、入れ歯です。今回のケースではインプラントとブリッジを理解する必要がありそうです。20代で、敢えて入れ歯治療を選ぶ事は無いので入れ歯治療は割愛します。
インプラントとブリッジの特徴は、ネットにたくさん出ているので見た事もあると思います。ここでは、補綴歯科学会の出している「歯の欠損の補綴歯科診療ガイドライン」に沿って見ていきましょう。
学会の出しているガイドラインは、1人の歯科医師の意見ではなく、過去の世界中の論文を対象にして調べて、その有効性を検証しているので、とても参考になります。
上記のガイドライン内の、クリニカルクエスチョン1-4(CQ1-4)が本症例に似ていると思われます。
右の図のような感じで、抜けた所の両隣に歯が残っている場合のインプラント 、ブリッジの有効性について書いてあります。
※参考文献:歯の欠損の補綴歯科診療ガイドライン2008社団法人日本補綴歯科学会
編集
インプラントは、自費治療なので平均的な相場で1本あたり40万円と言われています。一方で1/4ほどの費用でできる格安インプラントもありますが、当院ではお勧めしません。
安い理由としては、インプラント自体の質が低い、日本で未承認のインプラントを使用している、治療する歯科医師の経験が浅い、などが考えられます。
インプラント治療は高度な医療行為です。術前にCT撮影をして診断を行い、治療計画を立案し、定期検診でインプラントを長くもたせる所まで考えていかなければなりません。特に若い時にインプラントを選ぶ場合は、残りの人生が長いので、費用で選ぶのではなく信頼できる歯科医師かどうかで選ぶのが、後悔しないポイントです。