歯周病は口の中に限った病気ではありません。 歯周病の影響で、糖尿病などの持病が悪化したり、動脈硬化や心臓血管障害などの病気を引き起こしたり、早産など妊娠中のトラブルにも影響を及ぼすことがわかっています。
歯周病菌が全身の病気を引き起こす理由は、歯肉にある豊富な毛細血管にあるようです。 歯周病菌が引き起こす病気の一つの動脈硬化は動脈の血管の内側にコレステロールなどが付着し、内腔が狭くなり、血管の弾力性が失われ硬くなった状態をいいます。
今までは、コレステロールが血管に付着することから、高脂血症が進んで動脈硬化になると見られていました。 しかし、動脈硬化になった血管壁から歯周病菌が検出されているという報告があり、歯肉の血管から全身に回った歯周
病菌が血管壁に付着し、そこに血小板などが引っかかり動脈硬化になったと見られています。 細菌やウィルスが引き金となり、動脈硬化を起こすこともあるということが分かって来ました。
歯周病との関係が注目されるようになったのは、冠状動脈疾患の患者様たちから歯周病菌が検出されたからです。 また、フィンランドでも歯周病にかかっている人のほうが、心臓疾患を発症しやすいという報告があります。
動脈硬化が起こりやすいのは、総コレステロール値が高い人や中性脂肪多い人と見られています。 このような人が歯周病になると動脈硬化のリスクは非常に高まります。
このようなことから口の健康を維持することは大変重要です。 歯周病の予防や早期治療のために定期的に歯医者さんで診てもらうことをおすすめします。 また、健康診断などでコレステロール値や中性脂肪値が高いと診断結果が出た人は、特に歯周病予防に努めることが大切です。