みなさん、こんにちは。杉並区久我山駅前歯科です。
今日は、顎関節症と噛み合わせの知識についておはなしさせて頂きます。
歯科治療に当たって大切なことは、1本の歯だけでなく、かみあわせを含めたお口全体の調和を図ることです。かみあわせ(咬合)の不調和は、口の周りの筋肉(咀嚼筋)を過度に緊張させたり顎の関節(顎関節)に負担をかけて、痛みや運動障害を引きおこす原因となります。また、それらを統合する脳(中枢)に影響を与えたり、全身のバランスを崩したりすることもあります。
この3つの症状のうち。1つでも当てはまれば顎関節症の疑いがあります。顎関節症は、そのまま治療しなくても約70%の患者さんは、日常の生活に支障がない程度まで症状がなくなると言われています。
ただ、症状が改善=顎関節症が治ったとは限りません。一時的に症状が無くなったとしても、顎関節の状態は悪化を続けていることも多いのです。また30%の方は症状も病態もどんどん悪化を続けていきます。
顎関節症は1つだけの原因で起こるのではなく、様々な要因が重なりあって発症すると考えられえています。下記にお示しする要因がただちに顎関節症を引きおこすとは限りませんが、顎関節症の予防あるいは再発防止のための診断基準となります。
当院ではむし歯や歯周病治療あるいはかぶせ物や入れ歯の治療を行なう際にも、これらの要因に配慮しながら、顎関節に負担をかけないかみ合わせになることを大きな目標にしております。
例えば、かみ合わせる時に1本の歯だけが先に当たってしまう場合、この歯を避けようとして筋肉の緊張や顎関節への負担が大きくなります。顎を横にずらす時に強く当たる歯があったり、顎を後方へ誘導してしまうかみ合わせの場合も同様です。また、顎の大きさと歯の大きさの不調和で、歯ならびが悪いことも顎関節症のリスクを高くします。
寝ている間の歯ぎしりやくいしばりだけでなく、起きている時に上下の歯を接触する癖(TCH)も注意しましょう。日常で上下の歯が接触するのは喋ったり食事をする時も含めて1日約20分だけと言われています。パソコンや仕事に熱中している際に、無意識のうちに上下の歯をくいしばっていることはありませんか。
歯だけでなく筋肉や顎関節にも負担をかけてしまいます。くいしばっているな、と感じたら上下の歯をそっと離してリラックスして下さい。
片方の歯でかむ癖や、歯ごたえのある物を無理に食べたり、スルメなどの繊維性食品を長時間かみ続けたりすること、不良姿勢、かみ合わせの不調和によって顔貌や全身に影響を及ぼすことがありますが、不良な姿勢や足腰の障害による身体の歪みがかみ合わせや顎関節に負担をかけることもあります。
声楽や演劇で大きく口をあける機会が多い方は、顎関節に負担をかけているかもしれません。また、歯科治療で長時間口を開けていて急に顎関節症を起こすこともあります。
吹奏楽部演奏時は下あごを後方へ引く力が常に加わっており、顎関節症を引きおこしたり症状を悪化させる原因のひとつです。
サッカーなどのスポーツにより顎や顔面を打撲した際、またむちうち損傷や手術時の気管内挿管によっても、顎関節に障害を与えることがあります。
顎関節症や噛み合わせについてお悩みの方、お気軽に当院にご相談ください。