着色を落とすことと、ホワイトニングは別のお話になります。
「着色を落とすこと」=「歯の表面についた色を落とすこと」で、
「ホワイトニング」=「歯の色そのものを白くしていくこと」に
なります。
今回は、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」のメリットとデメリットをご説明します。
無カタラーゼ症の人は、ホワイトニングの薬剤に含まれる過酸化水素を分解できず、有害物質として体内に蓄積させてしまい、口腔内が壊死する恐れがあります。
ホワイトニングで使用される薬剤には、過酸化水素が含まれています。この成分が胎児に悪影響を及ぼす可能性があると言われています。 過酸化水素が気体化し、鼻や口から吸い込まれることで血液中のタンパクと反応し、小さな気泡を作ります。
その気泡が母乳や、胎盤を通った血液から胎児の中に入ると、細い血管を詰まらせる可能性があるのです。
18歳未満の人は、歯が成熟しきっていないことが多く、これから成長していく歯に影響を与えないという確証はありません。そのため、18歳未満の人に、オフィスホワイトニングをおすすめしない歯医者さんは多いです。
治療が終わっていない虫歯や歯周病がある人は、治療を優先させましょう。ホワイトニング剤が虫歯や歯周病の患部に付着することで、症状を悪化させる危険性があるためです。
エナメル質とは、歯の表面を覆っている半透明の組織です。象牙質とは、エナメル質の下にある層で、歯の主体となっている組織のことです。象牙質は、その人の歯の基本となる色を決める組織でもあります。
エナメル質形成不全症とは、何らかの原因によってエナメル質が十分に成長していない状態を指します。同じく、象牙質形成不全症とは、象牙質の成長が不十分な状態をいいます。
こうした人がオフィスホワイトニングを受けると、
といったリスクがあります。自分がエナメル質形成不全症や象牙質形成不全症かどうか分からない人は、歯医者さんで診てもらいましょう。また、エナメル質にひびが入っているという人も、ホワイトニング剤の影響で歯全体を傷めてしまうことがあるため、避けた方が良いとされています。
オフィスホワイトニングを含むホワイトニングは、入れ歯やブリッジ、インプラントといった人工歯に対しては効果が見込めません。これは、ホワイトニングが「神経が生きている天然の歯」に対して有効な施術のためです。
人工の歯を白くしたい場合は、クリーニングをして着色の除去を試みるか、人工の歯自体を白いものに作り替えるといった方法での改善を検討しましょう。
神経が死んでしまったことで歯が変色している場合、たとえ天然の歯であっても、オフィスホワイトニングの効果は期待できま
せん。
神経が死んでしまっている歯を白くするには、ウォーキングブリーチという方法があります。漂白剤を歯の中に直接注入し、封じ込めることで白く見せる方法です。変色してしまっている象牙質に直接作用することから、高いホワイトニング効果が期待できるといされています。
しかし、周りの神経が生きている歯と色を合わせるのが難しかったり、目的の色になるまで複数回、漂白剤を交換しなければならなかったりすることがあります。
ホワイトニングは、病気の処置ではなく、審美的な処置になるため保険は利きません。つまり、自由診療となりますので、費用は歯科医院ごとに異なります。
当院では、ホワイトニング薬剤を歯面に塗布して、光照射し、その後薬剤を除去するというタイプのホワイトニングを行っております。
1回の施術で3回まで薬剤塗布と光照射して大丈夫で、回数を増やせばその分白くなります。3回も照射するとホワイトニング前と比較すると白くなったのがはっきりとわかると思います。
1回照射 30分 | 2,750円 |
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2回照射 約60分 | 5,500円 |
3回照射 60〜90分 | 8,250円 |
歯科医院以外で行われるホワイトニングをセルフホワイトニングと呼びます。歯やお口の中に手を触れられず、薬剤の塗布や器具の装着を全て自分自身で行う必要があるので、セルフという名称がついています。セルフホワイトニングは、価格の安さと気軽さから人気を集めています。
ホワイトニングサロンなど、歯科医院以外でホワイトニングを行う場合には、歯科医師がいるかどうかを、よく確認してください。というのも、歯科医院以外の場所では、歯科医師が必ずしもいるわけではなく、歯科衛生士や歯科助手だけでも経営できるからです。
歯科医師がいないと、リスクすべてを網羅するようなカウンセリングはできません。つまり、歯の状態や、薬剤と体質の関係性を診てからの施術、という段階を踏めないのです。